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【東京記者ノート】ご即位パレード完璧に守れ 「最高難度」入念準備で完遂

 パレードで即位を祝う沿道の人たちに応えられる天皇、皇后両陛下=令和元年11月10日午後3時5分、皇居前広場
 パレードで即位を祝う沿道の人たちに応えられる天皇、皇后両陛下=令和元年11月10日午後3時5分、皇居前広場

 秋晴れの11月10日、生中継動画が流れ始めたスマートフォンにも目を向けながら、祈るような気持ちで車列を待っていた。天皇陛下のご即位に伴うパレード「祝賀御列(おんれつ)の儀」。警察当局にとって、安全実施に向けた難易度が今年最も高かった行事だ。

 天皇、皇后両陛下がご乗車されたオープンカーが、皇居・宮殿から赤坂御所までの約4・6キロのコースを時速10キロ弱でゆっくりと走行する行程。当初から万単位の観覧客の来訪が見込まれ、コース内への立ち入りや危険物の投げ込み、横断幕の掲示による示威行為、ドローン(小型無人機)の飛行など、懸念材料は枚挙にいとまがなかった。

 極左暴力集団の動きもその1つだった。上皇さまのご即位に伴うパレードがあった平成2年当時は、ゲリラが続発。警察当局によると、年間150件近くに上り、当日の同年11月12日も皇居に向けて迫撃弾が撃たれるなど、都内だけで30件以上起きた。

 警察当局は今回も安全確保のため、窓からの射撃などが考えられるコース近隣の建物について、管理責任者らに利用状況などを確認したと聞く。今年の早い時期には、ゲリラをするような体力を持つ組織はないとの見方で固まりつつあったが、「99%から、100%ないと断言するため」(当局関係者)、メンバーらの動向把握を重ねたようだ。

 10月22日の即位礼正殿(せいでん)の儀に向けても手を打った。多数の国や機関などから首脳ら要人の来日が見込まれていたため、警察当局は事前に国内トップの経験値を誇る警視庁のSP(セキュリティーポリス)を指導役として各地に派遣。要人警護担当の人材育成を進めた。一部は当日に同庁SPとともに業務に当たり、安全確保に寄与した。

 念入りな準備のもと、いずれの日程も特段のトラブルなく終了した。記者はパレード当日、コース後半の青山通り近くで状況を見守ったが、沿道警備に立つ警察官の顔つきは緊張感に満ちていた。時間にして30分程度だったものの、実際より長く感じたのは関係者に共通する思いだろう。

 振り返れば、世間の耳目を引く警備事象がこれでもかと続いた年だった。平成から令和に元号が変わる瞬間を祝う「改元カウントダウン」、国技館でのトランプ米大統領の大相撲観戦、ラグビー・ワールドカップ(W杯)、渋谷ハロウィーン、ローマ教皇の東京ドームでのミサ…。どの現場にも何らかの形で関与させてもらったのは、記者としてはありがたいことだった。

 明ければいよいよ五輪イヤー。世界中の目がTOKYOに向けられる。人が集まるところに潜在的なリスクが生じることは今年で痛感済み。経験を糧に臨みたい。(中村翔樹)

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