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政治依存の養鶏業界 金銭通じ族議員と「蜜月」

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 元農林水産相の吉川貴盛被告(70)=収賄罪で在宅起訴=をめぐる汚職事件では、贈賄罪などで在宅起訴された鶏卵生産大手「アキタフーズ」グループの元代表、秋田善祺(よしき)被告(87)と、農水族議員らとの金銭を介した蜜月ぶりが明らかになった。養鶏業者幹部は「業界を取り巻く環境から、政治の力を頼らざるを得ない構図になっていた」と振り返る。

 「物価の優等生」と称される鶏卵。単価が安く、飼料価格によって流通価格が左右されやすい中、価格の安定が図られてきた。ただ、生産を担う養鶏業界は「肉牛や養豚に比べ、国からの金銭的支援が圧倒的に少ない」(業者幹部)という不満を抱えていた。

 国の政策に影響されやすい農業や畜産などの第1次産業は、政治家とのつながりを重視してきた。その中で、養鶏業界の代弁者として、長年政治に接近していたのが秋田被告だった。

 鶏卵価格下落時に備えて差額を国などが補填(ほてん)する事業の予算は、平成22年は12億円ほどだったが、令和3年度は51億7400万円(概算決定)に達した。増額の道筋を作ったのは秋田被告と、地元・広島選出で昵懇(じっこん)だった亀井静香元衆院議員(84)によるロビー活動だったとされている。

■「日本文化守る」

 補填事業と同様、家畜をストレスの少ない環境で飼育する「アニマルウェルフェア」(AW)をめぐっても、秋田被告は積極的に動いた。AWは欧州から広がった考え方で採用を進める国もあるが、卵を生で食べる文化のある日本の養鶏業界は、コスト面のみならず、放し飼いなどによる衛生面などの観点も念頭に反発していた。

 業界関係者によると、秋田被告が周囲にAWに関する懸念を伝え始めたのは、10年以上前にさかのぼる。東京五輪開催が決まると「五輪がAW導入のきっかけになるのではないか」とこぼすようになった。

 AWに関し、国際獣疫事務局(OIE)が平成30年9月、止まり木や巣箱の設置を義務付ける国際基準の2次案を作成。25年の農水副大臣就任後から交流のあった吉川被告が農水相に就任すると、秋田被告は業界の要望を伝えるとともに現金を提供したとされる。政府は31年1月、反対意見を提出した。

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