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【主張】大相撲無観客場所 「国技」の役割を全うせよ

 日本相撲協会は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、8日に大阪市で初日を迎える大相撲春場所を無観客で開催することを決めた。賢明な判断である。中止とならなくてよかった。

 観客への影響を考慮したもので、安倍晋三首相はスポーツイベントなどの中止や縮小を要請していた。NHKの中継は、通常通りに行われる。

 政府は国民に、不要不急の外出も控えるよう求めている。特に高齢者は、感染後に重症化する確率が高いことが指摘されている。人混みを避けて自宅で静かにしていることが望ましいが、人には娯楽が必要である。大相撲中継は、とりわけ高齢者に人気が高い。

 日本相撲協会の八角理事長は「相撲ファンの皆さまにはテレビの前で相撲観戦をお楽しみいただけたら幸い。無観客ではあるが、力士の白熱した取組を約束する」と述べた。

 力士にとって、何より力をもらえるのは観客の声援だという。春場所はこれがなくなるが、一層の奮起でテレビ桟敷を沸かせてほしい。国難に際しての、それが「国技」の役割である。

 先場所、幕尻で優勝を飾った徳勝龍は「お客さんはテレビで見てくださっている。気の抜けたようなことはしたくない。お客さんが会場に入れない分、より頑張らないといけない」と話した。同じ決意を、全ての力士が土俵上の相撲でみせてほしい。

 場所中、力士は公共交通機関は使わず、毎日体温測定を行い、37.5度以上の場合は休場する。ひしゃくで水を口に含んで清める力水は、形だけ行う。力士に感染者が出た場合はその時点で場所を中止する。細心の注意で千秋楽までファンを楽しませてほしい。

 1日の東京マラソンでは、東京五輪代表の最後の1枠を争い、日本記録で駆け抜けた大迫傑(すぐる)の力走が、大いに楽しませてくれた。スポーツの生中継は、やはり茶の間の娯楽に最適である。

 平成23年の東日本大震災時、大相撲は八百長問題を受けて春場所を中止し、夏場所も技量審査場所として開催してNHKの中継はなかった。被災と自粛ムードの中で国民を楽しませる役目を全うすることができなかった。汚名をそそぐ機会でもある。日本に相撲があってよかったと思えるよう、熱戦の連続を期待する。

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