ライフ ライフ

今にいきる自学自習力 公文式経験者が振り返る 学びの魅力と特色

 「わが子が高校数学で困らないようにするには、家庭では何をしておけばよいか」。創始者・公文公(くもん・とおる)氏が抱いた長男への思いからスタートした公文式。読み書き計算などのプリント教材を中心に解き進めていくシンプルな学習だが、能力を最大限に伸ばす工夫が凝らされている。仲間と切磋琢磨しながら学ぶ教室という場、「自分で学ぶことができる」という自信を生み出す教材構成、一人ひとりをサポートする先生のまなざし…。試行錯誤しながら学ぶ経験を積み重ね、高度な基礎学力と自学自習力を培っていく。公文式経験者の産経新聞社員が振り返る魅力や学びの特長について、3回にわたって紹介する。

〈第1回〉公文式で学んだ“スタートダッシュ”の感覚

荻原秀太郎(26歳・メディア営業局・入社3年目)

学習歴:算数・数学、国語(5歳~5年間)

先生とのコミュニケーションも思い出のひとつ。いろいろな人と臆することなく交流できるようになったという
先生とのコミュニケーションも思い出のひとつ。いろいろな人と臆することなく交流できるようになったという
その他の写真を見る(1/3枚)

やる気が続く自分ペースの学習

--公文式をはじめたきっかけは。

 母が子育て仲間からの口コミで知り、自宅近くにあった教室の無料体験学習に連れていってくれました。「自分で学ぶ」という特色にひかれたそうです。親に連れられて通い始めたわけですが、嫌だった思い出はありません。できるレベルの教材からスタートしたこともあり、楽しくスムーズに学習に入ることができました。その後、年の近い弟と妹も通い始めました。

--学習の効果を実感する機会はありましたか。

 小学生になると漢字を覚えなければいけませんが、苦労を感じませんでした。算数も公文式で少し進んだ学習に取り組んでいるため、学校の勉強の流れの先に常にいる感じで、余裕をもって取り組むことができました。テストはいつも100点で、計算もとにかく速かったです。

--教材をゲーム感覚で楽しんでいたとか。

 まさに“スタートダッシュ”。ワッと学習に着手して、集中して勉強して…。ゲームみたいに課題に取り組むわけです。クリアすると次のステップにいける。自分ペースの学習だと、良い循環の中でやる気がふくらみます。塾だとカリキュラムに沿って授業が行われますよね。私の場合、そのスタイルでは飽きてしまったかもしれません。

--苦手なことを克服する力にもなった。

 国語の音読が気恥ずかしくて、積極的にできませんでした。しかし、続けていくうちにできることが増えて、手応えが生まれました。漢字が分かる、文章が読める…。その自信が、学習だけではなく興味の広がりにつながり、日常生活でもプラスに影響しましたね。

--学年の枠を越えて学習が進みます。困難だったことはありますか。

 もちろん初めての学習は分からないですし、時間もかかります。でも、まずは鉛筆を持った手を動かして、自分で試行錯誤する。その姿勢を学んだ気がします。私はケアレスミスも多くて、間違いがあれば、100点になるまで解き直し。粘り強さが求められます。繰り返しているうちに理解が進み、解答のスピードも上がっていき、気づくと壁を乗り越えています。学習に対して恐怖心がなくなり、自分のクセや弱点が分析できるようになりました。

--教室の雰囲気はどうでしたか。

 最初に通った教室の先生が、優しさと厳しさを兼ね備えた方でした。教室はアットホームで「集中して勉強しよう」という雰囲気に包まれていましたが、あいさつしないと叱られた記憶があります。公文式は先生が教壇に立つ方式でもないですし、家庭教師のようにずっと横についているわけでもない。自学自習が基本。しかし、先生が一人ひとりを見ていて、アドバイスをくれます。〈教えてもらっている〉という感覚がありました。家族以外で自分に向き合ってくれた最初の大人。鮮烈な印象が残っています。

ミスをしたときは、子どもながらに原因を考えたという。根気よく課題に取り組み、100点をもらう経験の積み重ねは、「やればできる」という自信につながった
ミスをしたときは、子どもながらに原因を考えたという。根気よく課題に取り組み、100点をもらう経験の積み重ねは、「やればできる」という自信につながった
その他の写真を見る(2/3枚)

夢につながった“コミュニティー感”

--現在、どのような仕事を担当していますか。

 出版業界の営業担当を経て、不動産会社などを担当しています。紙面の企画提案を行っているのですが、もともと自分の手がけたことが世の中に広く発信される仕事に関心がありました。

--仕事をしていて、難しいと感じることは何でしょうか。

 多様な業種を担当するので、業界によって異なるルールや取り巻く社会情勢など、幅広い知識を吸収していかなくてはなりません。不動産会社の方々と話すときには、例えばですが東京都全体の開発状況についても議論できなくてはいけません。社会に出てからも勉強の積み重ねです。

--公文式で培われたことがいきていますね。

 スタートダッシュ、集中力、初めての分野にスッと入り込める対応力…。どれも公文式での経験がいきているのかな、と思います。「これだ!」というときには、成果を上げるために集中して努力することができます。目の前の教材をコツコツと解いてきたように、ひとつずつの仕事に対応していくことが大切です。中学、高校、大学、そして現在。公文式での学びが今の私の土台になっていると実感します。

--挑戦してみたい夢はありますか。

 地域を活性化する活動をしてみたいです。実は小学4年生のときに、公文式をやめてほかの塾に移ったのですが、続きませんでした。教室に“コミュニティー感”がなくて物足りなかったのです。地域というものに関心が生まれた原点です。公文式に通いはじめたときに住んでいた宇都宮市は、ちょっと都会で、ちょっと田舎。アニメでも何でも、新しい要素や土地の魅力を活用して、街をにぎやかにするような活動をしていきたいです。

--公文式に関心を持つみなさんへのメッセージを。

 教室という場と先生という存在が、何よりも大きい。集中した学習は、家でひとりでやってみようと思っても、なかなかできません。教室には、さまざまな学年の仲間がいて、ともに学ぼうとする空気があります。培った基礎学力は応用力につながっていきますし、未知の世界に挑戦する力にもなっていくはずです。

教室20周年記念で先生が作成してくれたカード。当時6才の荻原さんについて、「落ち着いて学習しています」とコメントが記されている。「公文式の学びは、答えを出すだけではない」と魅力を語る荻原さん。仕事への情熱や課題遂行能力、論理性など、仕事で求められるさまざまな能力に結びついている
教室20周年記念で先生が作成してくれたカード。当時6才の荻原さんについて、「落ち着いて学習しています」とコメントが記されている。「公文式の学びは、答えを出すだけではない」と魅力を語る荻原さん。仕事への情熱や課題遂行能力、論理性など、仕事で求められるさまざまな能力に結びついている
その他の写真を見る(3/3枚)

【公文式の簡単プロフィル】

 公文式は昭和30年、大阪府守口市に第1号教室を開設。数学教師だった創始者・公文公氏が、当時小学校2年生だった長男のために計算問題を作成したことが始まり。特長は「ちょうどの学習」「学年を越える」「自学自習」。算数・数学、英語、国語があり、乳幼児から大人まで学習できる。

 教室には、教室ごとに定められた曜日で週2回通う。教室での学習の流れは、一人ひとりに合わせて用意された当日教材を受け取り、席について自分で学習し、解き終えたら先生に採点してもらう。間違いがあれば解き直して訂正し、先生に再度提出。すべての教材を100点にしたら、宿題を持って返り、次回の教室に持参する。この繰り返しで、学習を積み重ねていく。

 先生は、子どもたちができるだけ早い時期に高校教材を学習できるように導く。先に進む、もう少し復習する…など、ちょうどよい学習になるように教材を選定する。自分の力で問題を解く力を養うため、ときには見守り、つまずいたときにはヒントを与える。そして、〈認め、ほめ、励ます〉ことで次に進む力をつけていくという。

※学習の特長や無料体験学習などの詳細は、公文式HPへ

提供:公文教育研究会

ランキング