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後悔しない葬儀のポイント 見落としがちな霊安室の重要性

平成29年にリニューアルしたセレモニー浦和ホールの特別霊安室。モダンで清潔感のある個室は、安心して遺体を安置できる
平成29年にリニューアルしたセレモニー浦和ホールの特別霊安室。モダンで清潔感のある個室は、安心して遺体を安置できる
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 大切な人の不幸は突然、襲ってくる。故人を弔う葬儀はしっかりと執り行いたいが、事前に十分な準備が難しいうえ、悲しみに暮れて心労のかかるなか、連絡や手続きに時間を奪われる。どうすれば故人とじっくり向き合い、後悔しない最後のお別れができるのか。年末年始は遺体を安置する霊安室を長めに確保する必要があり、費用が膨らむなど特有の問題もでてくる。埼玉や東京に直営葬儀式場24カ所を展開する葬儀社セレモニー(さいたま市)に葬儀や事前の備えのポイント、年末年始の霊安室「使用料5日分サービス」に込めた思いなどを聞いた。

安置期間「10日以上も」

 飲食店や百貨店、ショッピングセンターがひしめく浦和駅西口から徒歩3分。駅周辺のにぎやかさがやや落ち着いた一角に、セレモニー浦和ホールがある。

 地下1階地上4階建てのホールに入ると、白を基調とした内装に外光が差し込み、葬儀場の暗いイメージを覆される。最大800人対応できる式場のほか、大きめのソファやジェットバスも備えた遺族控室はまるでホテルのよう。遺体を安置する霊安室もきれいな個室があり、ステンレスなどを使わない温かみのある印象だ。

 セレモニーの志賀司社長は「ご遺族が悲しみ、落ち込んでいる中、心の負担を和らげられるような施設にしたかった」と説明する。

浦和ホールの遺族控え室。光あふれる明るい室内はソファやベッドもあり、遺族らの負担に配慮した設計になっている
浦和ホールの遺族控え室。光あふれる明るい室内はソファやベッドもあり、遺族らの負担に配慮した設計になっている
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 葬儀はどんなときも負担が大きいが、年末年始はいっそう遺族を悩ませる問題がある。葬儀までの期間が長引きがちなことだ。一般的に故人の死去から葬儀までの期間は5日前後だが、年末年始は火葬場が混雑するうえ、休みを挟むため「10日以上かかることもある」(セレモニー)

 このため遺体を安置する霊安室の確保がより重要になる。病院は一時的な安置を想定し、長期の使用が難しい。霊安室を持たない葬儀社も数多いなか、安置の施設が見つかっても面会に制限があったり、殺風景なものだったりと大切な故人を預けるのに適した環境とはいえないケースもある。

 これに対し、セレモニーグループは全ての直営葬儀式場に霊安室を完備し、運営する24カ所に合計82基の霊安施設を保有し、365日24時間の安置が可能だ。「きれいな霊安室」をテーマに、浦和ホールのように落ち着いた清潔感のある内装に仕上げ、個室がある拠点も徐々に増やしている。

ガラス窓を背景にした祭壇が目を引く浦和ホールの大式場。座り心地にもこだわったいすを76席まで並べられる
ガラス窓を背景にした祭壇が目を引く浦和ホールの大式場。座り心地にもこだわったいすを76席まで並べられる
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 さらに、年末年始は安置の長期化に対応し、霊安室の使用料5日分を無料にする新サービス(令和2年1月末日まで)を開始している。例えば、10日間の安置でも5日分の費用で済み、追加が抑えられる。

 志賀社長は「病院の最後の場に間に合わなくても、一刻も早く故人様のもとにと駆け付けた人がきれいな場所でお別れできる霊安室にしたかった。使用料5日分サービスで、年末年始でも安心してお預けいただける態勢を整え、ご遺族への精神的、経済的なサポートを徹底したい」と話す。

⇒セレモニーの「使用料5日分サービス」詳細はこちら

結婚式のように「くらべて選ぶ」

葬儀社選びの重要性を訴える志賀司社長
葬儀社選びの重要性を訴える志賀司社長
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 かつて葬儀社選びは親類や病院の紹介などが頼りだったが、いまはインターネットに情報があふれている。検索すると「格安葬儀」「最安値××万円」「追加料金一切なし」などの文句が画面にずらりと並ぶ。その結果、葬儀式場に行って雰囲気などを確かめることなく、ネット情報と電話のみで葬儀社を決めてしまう遺族もいるという。

 ただ、ネット情報の信頼性には疑問符が付くようなトラブルが相次いでいる。「追加料金なし」などとウェブサイトに表記しながら、安置の日数が長くなることで発生する、遺体保全のためのドライアイスの追加費用や、霊柩(れいきゅう)車や寝台車の搬送距離に応じた追加料金を請求し、問題となった事例もある。また、「一般価格100万円、会員価格50万円、会員になるには初回1万円」などと表示するサイトもある。葬儀は大きく費用が変わる要素が少なく、値引き前の金額は営業用の”見せる”価格の疑いが強い。実質的な二重価格表示で、利用者をあざむいている可能性がある。

 消費者庁は、こうした問題を受け、平成24年、注意事例の概要及び葬儀費用の比較広告に関する考え方などを公表。景品表示法違反と消費者被害を未然に防止するため、注意喚起を行っている。景品表示法違反があった葬儀社には措置命令を発出した。

 志賀社長は「ご葬儀に携わるものとして、そういった状況を変えていかなければならない。ご葬儀は人生の”卒業式”ともいえる重要な儀式。だから、ネットだけに頼らず、結婚式のように事前に(葬祭)フェアや式場に足を運び、施設、サービス内容、料金などを比べて慎重に選んでほしい」と訴える。

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 そのうえで、比較ポイントとして①事前見積り②見積総額の確認③葬祭ディレクターがいるかどうかが重要になる。

 まず、複数の葬儀社から事前見積もりをとることが最も大切だ。予算や葬儀式場の立地、故人にまつわる演出など希望を明確に伝え、費用の相場やスタッフの対応などをチェックする。

 次に、葬儀費用の内容に過不足がないかを確認する。優良な葬儀社は希望を基に見積総額を算出し、予算と調整してくれる。そして“究極のサービス業”ともいえる葬祭業のプロフェッショナル「葬祭ディレクター」が在籍していると安心だ。セレモニーは遺体のお迎えから葬儀の手配、進行まで、1人のディレクターが窓口として担当し遺族をケアしている。

 葬儀は式場や霊安室と並び、スタッフのサービスが印象を大きく左右する。一級葬祭ディレクターは技能や経験が問われる信頼性の高い資格であり、厚生労働省が認定している「葬祭ディレクター技能審査」に合格しなければならない。その資格を持つ、セレモニーの岩﨑真佐美さんに1級葬祭ディレクターの役割や、遺族への心構えなどを聞いた。

1級葬祭ディレクターがアドバイス「優先順位を明確に」

セレモニー与野ホール店長を務める岩﨑さん。現場の葬祭ディレクター時代は、年約80件の葬儀を担当したという
セレモニー与野ホール店長を務める岩﨑さん。現場の葬祭ディレクター時代は、年約80件の葬儀を担当したという
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――どんな役割を担うのか

 「結婚式でいうウエディングプランナーのように、ご遺族とともにご葬儀を形づくっていく仕事です。昔は近所や自治会が手伝うのが一般的でしたが、いまは難しい。ご遺族に代わって霊柩(れいきゅう)車や火葬場の手配から料理や返礼品の用意などを行い、サポートします」

――厚生労働省が認定している「葬祭ディレクター技能審査」とは

 「葬祭業の知識や技能向上などを目的とした制度で、年1回の試験があります。実務経験2年以上で受験できる2級と5年以上で受験できる1級があり、葬祭関連の知識に加え、会場設営や接遇など実技が試されます。信頼できる互助会や葬儀社は、有資格者がいることが前提ともいえます」

――葬儀を依頼する際のアドバイスは

 「優先順位を明確に付けることです。価格はもちろん一つの基準ですが、遠方の親類が多いから交通の利便性を重視する、スタッフのサービスに重きを置くなど希望によって、葬祭ディレクターとしてお勧めする内容は変わります」

――印象に残っている葬儀は

 「若い時に担当したご葬儀で、故人さまにかわいがってもらっていた7歳のお孫さんがいました。霊安室でのお参りやお通夜ではいつもと同じように元気に遊んでいましたが、お棺の蓋を閉じる際に『じいじー』と大きな声で泣き叫びはじめたのを覚えています。ご葬儀を通じて、幼いながらに大切な人が亡くなったときの『悲しい・寂しい』という気持ちをはじめて経験したのだと思います。私自身、その姿をみて心をグッとつかまれました。そして、人生最後の儀礼に携わっているということを改めて感じさせらたご葬儀の一つです」

⇒セレモニーについて詳しく知る

提供:株式会社セレモニー

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