PR

ニュース プレミアム

「水ようかん」福井では冬の味覚のなぜ?

紙の箱にたっぷりと入った水ようかん。専用の金型で切れ目を入れた状態で販売される=福井市の菓子店「えがわ」
紙の箱にたっぷりと入った水ようかん。専用の金型で切れ目を入れた状態で販売される=福井市の菓子店「えがわ」
その他の写真を見る(1/3枚)

 福井県では年の瀬が迫るにつれ、県内各地の菓子店で水ようかんの製造が本格化する。冷やして食べたり、目にも涼しかったりするため夏の和菓子のイメージが強いかもしれないが、福井では冬の風物詩。なぜ福井では冬に食べるのだろうか。

11月から3月まで製造

 県内随一の水ようかん生産量を誇る福井市の菓子店「えがわ」。11月中旬、小豆あんの甘い香りが漂う調理場で、平らな紙箱やプラスチック容器にようかんを流し込む作業が黙々と行われていた。製造は11月から3月までの5カ月間で、年末にピークを迎える。

 同店の水ようかんは、材料に小豆のこしあん、寒天、黒糖とザラメを使う。寒天のつるんとした食感でさっぱりと食べることができ、黒糖のコクがある甘みが続く。B5判に近い縦23センチ、横17センチの板状の水ようかんを専用の金型で切り分けた通常サイズが800円、その半分のサイズは450円で販売している。

 3代目社長の江川茂隆さん(52)は「核家族化で家族の人数も減っているせいか、半分のサイズのものが売れるようになった」と話す。

起源は江戸時代?

 この水ようかんを福井では冬場に食べる。冬場に水ようかんを食べる文化は、福井のほか石川県や新潟県の一部にあるが、全県に広がっているのが福井の特徴だ。

 その由来は諸説あり判然としない。だが、県東部の大野市、県南部の小浜市などで「丁稚(でっち)ようかん」と呼ばれることに、冬に食べる謎を解く鍵がありそうだ。

福井では冬の風物詩という水ようかん=福井市の菓子店「えがわ」
福井では冬の風物詩という水ようかん=福井市の菓子店「えがわ」
その他の写真を見る(2/3枚)

 福井では、京都などの商店に働きに出る「丁稚奉公」が江戸時代に盛んになり、昭和初期ごろまで続いた。働きに出た子供たちが正月に土産を持って里帰りする。土産は練りようかんとも、小豆と砂糖ともいわれるが、それを材料にして作ったのが「丁稚ようかん」という。このため、年末から正月の寒くなるころに、水ようかんを食べるようになったというのだ。

 一般的なようかんに比べて福井の水ようかんの甘さが控えめなことも理由の一つに数えられている。糖度が低いために日持ちせず、そのため冷蔵庫もなかった時代には夏の暑さで傷むため、積雪で冷やせる冬に食べるようになったと考えられている。

(次ページ)伝統の甘さ、少なくとも100店が…そして

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ