PR

東京五輪 東京五輪

【主張】東京五輪の延期 IOCに早期の決断求む 今夏の大会実施は不可能だ

 東京五輪・パラリンピックは世界に祝福される大会でありたい。全地球規模で新型コロナウイルスの感染拡大が進む中で、今夏の大会開催は無理である。

 世界陸上競技連盟のコー会長は国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長に東京五輪開催延期を求める書簡を送り「誰も五輪が延期されるのを見たくはないが、あらゆるもの、特に選手の安全を犠牲にしてまで開催すべきではない」と記した。

 同感である。IOCは東京五輪の開催延期について、4週間以内に結論を出す方針を発表した。中止については否定した。IOCには、延期の時期を含めて、早期の決断を求めたい。

 ≪まず来年の開催目指せ≫

 すでにカナダの五輪、パラリンピック両委員会は今夏の東京大会に選手を派遣しないと決定し、1年間の開催延期を求めた。各国の五輪委や、五輪に強い影響力を持つ米国の陸上、水泳連盟も開催の延期を求めている。

 安倍晋三首相は先の先進7カ国(G7)首脳テレビ電話会議で「全ての国のアスリートが万全の準備のもとに参加できる安全で安心な大会とする」と述べた。

 そうした「完全な形」での今夏開催は、悲しいかな、もはや不可能である。

 だがIOCの正式な決定がない限り、予定通りの開催へ向けた準備は継続を求められる。

 国内に到着している聖火のリレーは26日、福島県のJヴィレッジでスタートする。沿道の歓声も祝福もない聖火リレーは、あまりにせつないではないか。

 ただでさえ、世界中で外出の自粛が求められているときに、国内を聖火が巡回する映像は奇異なものと見られるだろう。

 せめて、「延期」の決定だけでも、一両日中に前倒しすることができないか。

 難渋が予想される延期の時期についても、4週間以内のできるだけ早い段階の決定が望ましい。今秋か、来夏か、2年後の夏か。これが決まらない限り、「次」に向けて動き出すことができない。

 新型コロナウイルス感染拡大の収束時期が見通せない以上、現時点で今秋への日程変更は困難である。延期される大会が遠のくほど開催に必要な予算は膨らむ一方となり、選手選考も複雑となる。

 1年の延期であれば、競技によっては今夏の代表選手がそのまま参加することも可能だろう。2年後の開催となれば、一からの選考のやり直しが不可欠となる。ピークを過ぎ、引退を余儀なくされる選手もいるだろう。

 選手の立場では、2年後は果てしなく遠い。

 ワクチンや治療薬の開発に望みをかけなければならないが、アスリートにとって許容しやすい選択肢は来夏への延期だろう。この場合、最大の障壁となるのは、すでに決まっている国際競技大会のカレンダーである。

 来年7月には福岡市で水泳の世界選手権が、8月には米オレゴン州で陸上の世界選手権が開催される。いずれも2年に1度開催される大イベントであり、出場選手は五輪とほぼ重複する。

 競技連盟には重大な収入源であり、膨大な放映権料の問題も絡んで、常識的には中止や延期は考えられない。

 ≪日本の総合力で実現を≫

 ただし陸上も水泳も五輪の中核競技であり、東京五輪の延期を求めた経緯がある。五輪を大事な大会と位置付けるなら、IOCは強力なリーダーシップを発揮し、世界陸連や国際水連に譲歩を求めるべきだろう。

 それほどの荒療治をやってのけなければ、延期は難しい。どんな結論が出ようと、それぞれの立場で不満は残る。

 例えば特例で今回の東京五輪延期についてはスポーツ仲裁裁判所(CAS)への訴えを無効とするなどの措置も考慮に入れなければならない。

 延期の是非、またはその時期を決定するのはIOCである。

 だが、その決定を実施するのは大会組織委員会、開催都市の東京都であり、これを支えるのは日本の総合力である。予想される困難は多岐にわたる。しかも五輪の延期は史上初であり、感染症による日程変更も同様である。

 東京だから、日本だから実現できたと世界を驚かす。なんとかそんな大会を実現したい。

関連トピックス

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

東京五輪2020まであと

ランキング

ブランドコンテンツ