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【主張】五輪延期とJOC 受け身のままでいいのか

 スポーツ界のリーダーの顔が見えない。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京五輪の1年程度の延期が決まった過程では、日本オリンピック委員会(JOC)が発信力を全く欠いていた。

 今夏の開催をめぐる議論では終始、政府や国際オリンピック委員会(IOC)のなすがままに従った。事態を好転させる意思がまるで見えなかったのは残念である。

 IOCの方針は、「予定通り開催」と「延期検討」の間を揺れ動いた。JOCの山下泰裕会長が主体性を持って発言できなかったのは、やむを得ない面もある。

 結論が出ていない以上、ホスト国が開催準備に全力を傾けるのは当然のことだからだ。

 しかし、世界的に感染が広がる情勢をみれば、今夏の開催が難しいことも明白だった。影響を最小限にとどめる「1年延期」が有力な選択肢であることも、来夏の陸上と水泳の世界選手権がその障害となっていたことも、分かっていたはずだ。

 海外の競技者らから延期を求める圧力は強く、日本への筋違いな批判もあった。五輪に利権ビジネスの側面もある以上、世界陸連や国際水泳連盟にも責任の一端はある。JOCが主体となり、両連盟など世界のスポーツ界に連携を求め、事態を動かそうとする努力はできなかったのか。

 山下氏は柔道の元日本代表で、1980年モスクワ五輪のボイコットを経験した一人だ。出された結論を黙って受け入れるためだけに、日本スポーツ界のトップに就いたわけではあるまい。

 難局を打開したのは、世界陸上の日程変更をいち早く打ち出した世界陸連のセバスチャン・コー会長だった。JOCは理事の一人が延期論を唱え、それに対して山下会長が不快感を示すなど、足並みの乱れだけが目についた。

 本来なら27日に予定されたJOC理事会で、意見の相違が生じた経緯を検証すべきだった。延期決定までの過程で、JOCがどう関与したのか、あるいはできなかったのか、山下会長が理由を含めて説明しなければならない。その理事会を中止にした。

 東京都が要請した外出自粛を受け入れた形だが、JOCの理事会は不要不急ということか。これでは「JOCは無用の組織」と批判されても仕方あるまい。

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